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雨の朝
それは6月の半ばだった。朝から大雨が降っていた。私が学校に着いた時、ジローはカッパを着てジョーロで花壇に水を撒いていた。
その横で例の愚劣な男子どもがジローに罵声を浴びせていた。
「大雨降ってもジョロ~ジョロ~♪ 毎日毎日ジョロ~ジョロ~♪」
彼らは流行りの歌のメロディーに合わせてジローを嘲笑っていた。彼らは何人かで並んでジローの行く手を阻んだ。
「雨降りダジョ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪」
と声を揃えて歌いながらジローの前に立ちふさがった。
ジローは困惑して
「やめて・・・水あげなきゃいけないんだから・・・お願いだから、どいて!」
と彼らに言った。彼らはどけるどころか、ますます調子に乗って大きな声で嘲りの歌を歌いながらジローを取り囲んだ。
「雨降りダジョ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪」
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