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そして私は叫んだ!
ジローは半泣きになって彼らに訴えた。
「お願いだから・・・やめて・・・ここを通して・・・」
舞い上がった幼稚な連中は、ますます大きな声で歌いながらジローの近くに迫った。
「雨降りダジョ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪ジョロ~やめろ~♪」
この大雨に打たれながら花に水をあげようというジローの心が悲しくもあり、嬉しくもあった。その悲しい部分を、これでもかと踏みつける目の前の幼稚な連中の愚劣な行為は、まさにジローのすべてを否定しているように見えた。ジローの悲しさは仕方がない。
だが、お前らに、ジローの光は見えないのか?誰より真っすぐで、真面目で純粋なジローの眩しいほどの心の光が見えないのか?
このまま見過ごしては誰のためにもならないと思った。私は怒りに煮えたぎる心の底で必死に言葉を探った。私は傘をたたみ、ジローとイジメてる男子たちの間に割って入った。
そして私は叫んだ!
「一人で一生懸命にがんばってるジローと、大勢でジローを取り囲んでイジメるあなたたちの、どっちが恥ずかしいか、わからないの?!」
私は彼らがどんな目でジローを見ているのか、一人一人の瞳を射るように睨んだ。どいつもこいつも情けない目をしていた。彼らはパーッと蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
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