いとしのジロー

特別支援学級

　次の週から、私は美術の時間はジローの教室へ行った。他のみんなとは違うことをさせてもらえた。川本先生は私とジローに油絵を教えてくれた。大きなキャンバスに私はジローを、ジローは私を描いた。ジローの絵は天才みたいだった。驚くような色や形がオモシロオカシク散りばめられているのに妙に私の雰囲気が出ていた。私はジローをカッコよく描きたかった。顔や体は写実的に描いたけど服や帽子は南国風にした。
　技術家庭科では、教室の裏の土地をスコップで深く掘り起こして畑を作った。人参とジャガイモとキャベツを植えることにした。ジローが好きな野菜だったから。