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放課後、結局眼鏡は渡せないまま男の子の後ろを離れて歩きながら帰宅する。
男の子は私の家の近くで立ち止まり、私の部屋を見ている気がした。
私に用があるのかと思い、勇気を出して男の子に近寄って声を掛けた。
男の子は、驚いた様子で体をビクッとさせて変顔しながら振り向いた。
笑ったら負けなような気がして笑いをこらえる。
男の子は、恥ずかしそうに下を向いてモジモジするので、ここでは言いづらい事があるのだろう。
男の子の背中を押して私の家に連れて行った。
「お、おじゃまします」
男の子は緊張しているみたいに顔をこわばらせている。
靴を脱ぐと男の子の腕を掴み私の部屋に連れて行った。
男の子は、私の家に入るとキョロキョロして部屋を見るので恥ずかしい。
勉強机の前にある椅子に男の子を座らせると飲み物を取りに部屋を出た。
ジュースが入ったコップを2つ持って部屋に戻ると、男の子は座らせた時と同じ姿勢で固まっていた。
そんなに緊張しなくてもいいのにな。
そんなに緊張していたら、私も緊張しちゃうじゃない。
男の子にジュースの入ったコップを1つ渡し飲むように言った。
私も一口飲み机の上にコップを置くと、制服のジャケットを脱いでハンガーに掛けて壁のフックに吊るす 。
ブラウスのボタンを2つ外してベッドに腰を掛ける。
男の子は手に持ってコップを見詰めるだけで飲もうとはしなかった。
男の子は私に何か用が合ったみたいだったから連れて来たのに、なかなか喋ろうとはしなかった。
そんなに言いづらい事なのだろうか?
もしかして、「眼鏡を返してくれ!」とか言いたいの?
それは、言い出しづらいよね。
でも、その眼鏡を私が壊したかも知れないので返すのも勇気がいる。
渡す前に謝った方が良いのかも?
「ごめんなさい」
男の子に頭を下げて謝った。
男の子は慌てて「ごめんなさい」と言って頭を下げてきた。
なんで?
かがんだまま顔を上げて男の子を見ると男の子も同じ姿勢で私を見ている。
男の子とは目が合わないのは、男の子が恥ずかしがって私より少し下をみているせいだろう。
男の子の視線の先には大きく襟が開いているブラウスから見える私の胸元。
彼も他の男の子と同じく女の子の胸が好きみたい。
男の子にブラを見られているのに少し嬉しく思った。
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