9人が本棚に入れています
本棚に追加
シャワーを浴びて部屋着で朝食を食べている私に父親が謝ってくる。
はっきりとした記憶が無いので「何かあったの?」と答えると、父親は「覚えて無いのなら気にしなくていい」と言って誤魔化している。
部屋着の胸元をチラチラ見ている父親は最低だと思いながら、部屋着の胸元を摘まんで引っ張り、父親に私の胸を覗かせた。
凄く嬉しそうな表情をしている。
男の人って、みんなこんな感じなのかな?
胸元に手を当てて隠しながら父親の顔を見ると凄く悲しそうな顔をしている。
絶望的な何かが起きたみたいだった。
大袈裟だと思っていると、私の背後にアイロンを掛けたばかりの私の制服を持った母親が立っていた。
私に無言で制服を渡した母親は父親を連れて何処かに行ってしまう。
ああ、私のせいで父親が・・・。
いや、私は悪くない。父親が全て悪いのだ!
朝食を終えて登校準備をした私は、シワが消えている温かい制服を着て学校に向かった。
教室に着くと気になる男の子が私を見ている。例の黒いフレームの眼鏡を掛けは無い。あのダサイ青いフレームの眼鏡も掛けていなかった。
素顔を見せる男の子は可愛い顔をしている。
なので余計にダサイ眼鏡を掛けていたのが残念だった。
その彼は、黒いフレームの眼鏡を手にしながら、何故だか私のお腹辺り、主に下腹部を見ている。
お腹を見て楽しいのだろうか?
ヘソの下の方に生えている毛を観察しているには少し上の部分を見ている感じだった。
何か理由が有るのかも知れないけど今の私には分からない。
そもそも、今は黒いフレームの眼鏡を掛けてないので透視も出来てないと思う。
それなのに、まるで透視をしているかの様な視線を感じていた。
あの眼鏡には掛けずに見える遠隔機能とかあったのかも?
昨日、もう少し眼鏡を調べておけば良かった。
昨日・・・。
嫌な記憶がよみがえった。
せっかく父親の騒動で忘れていたのに思い出してしまった。
この男の子は、昨日教室でクラスで1番可愛い女の子としていた事を。
私が自分席に着いて机にうなだれていると視線を感じて頭を上げたら気になる男の子と目が合った。
なんで私なんか見ていたの?ほら、キミが好きな女の子が教室に入って来たよ。
心の中まで見えてはいない様子なので少しホッとした。
これで心の中まで見られていたら恥ずかしくて顔を上げられないよ。
今日は、何で黒い眼鏡を掛けずに手に持っているのか分からない。
もう女の子の体には興味が無くなったのかな?
眼鏡で透視しながらチラチラ見なくても直に見れたのだから、その眼鏡は、もう必要が無いみたいだったけど、本当の事は分からない。
勇気を出して眼鏡の事を色々聞きたいが、私にはそんな勇気が無かった。
授業の合間に彼の近くを意味無く通ったりしたが、彼は私をチラチラ見るが声を掛けて来たりはしなかった。
私に興味が全く無い様には見えなかったので少しは脈が有るのかな?
でも、私のお腹を見てため息をつくのは少し傷つく。
そんなに私は太っていないはずなのになー。
最初のコメントを投稿しよう!