9人が本棚に入れています
本棚に追加
スマホの画面に触れてテレビ電話を起動させると、兄は「学校、どうだった?」とか、毎回どうでもいい話をしてくる。
私はオシッコを出しながら「いつもと変わった事は無かったよ」と答える。
片手でカラカラとトイレットペーパーを引き出して丸めると器用に千切り股間を拭く。
兄に「綺麗に拭かないと今日もパンツにシミが出来るぞ!」と注意されるが「それなら電話しないでよね!」と言い返す。
毎日言い合っているので喧嘩している訳では無い。
パンツは片手で上がらないのでスマホを持ちながらパンツを上げる。
しかし、スマホを持ちながらだとパンツはゆっくりとしか上げられない。
スマホのテレビ電話を切って台に置いてから上げればいいのに、それをやると兄は機嫌が悪くなる。
テレビ電話を使って私の太腿をじっくり見たいらしい。
父親と同様に兄も変態だと思う。
自分の妹がパンツを穿く姿を見て何が楽しいのだろうか?
私よりもパンツの方に興味が有りそうな兄なので私には何の害も無いから気にしない。
でも、洗濯に出した私のパンツをカゴから出して何かしているのは恥ずかしからヤメテ欲しいのだけど、何度言っても辞める事は無かったので、もう諦めた。
通話を切ってトイレから私の部屋に戻ると兄は漫画本を持って部屋から出て行った。
兄もトイレに入って何かを出すらしい。
ベッドの上に寝転ぶと家の近くで拾った黒い眼鏡を取り出して眺める。
やっぱり、これは、あの男の子が持っていた眼鏡だよね?
その眼鏡を掛けてボタンを押してみるが、レンズの右上に数字は表示されなかった。
ダイヤルも回したけど何の変化が無いので壊れたのだろうか?
もしかして、私が蹴ったのが原因かな。
どうしよう!これじゃあ男の子に返せない。
本当に壊れたの?ボタンをカチカチ押したりダイヤルを回してみるが、やっぱり何も表示が出ない。
もしかして、充電が切れたとか?
眼鏡を外して色々な部分を見て調べるが充電出来そうな所は見付からない。
そもそも、コレは電気で動いていたのだろうか。
魔法で動いていたのなら魔法使いを探して直して・・・。
魔法使いなんているか!!
いや、いるかも知れないが、そんな人は見た事も合った事も無い!
あるかも知れないが「私、魔法使いです」と自己紹介された事なんて1度も無かった。
と、言うか、「俺、魔法を使えるんだ!」とか自慢する人が居たなら『アイツ、頭がオカシイ』と誰もが思う。
正直に本当の事を言ったとしても誰もまともに聞かない。
じゃあ、どうやって魔法使いを探したらいいんだ!
んー。
魔法使いかー。
んー。
ってか、魔法使いの事を考えても何も分からないので結論は出ない。それよりも眼鏡の方を考えよう。
最初のコメントを投稿しよう!