ラパンとトルテュ

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 ラパンは、草原をピョンピョン跳ね回っていました。ピッチピッチの子ウサギ、まだまだ世間知らずなナルシスト、キュートな小悪魔。  むにゅ。  何かひんやりしたものを踏んづけました。 「イテテテ」  踏んづけられた扁平な爬虫類はリクガメ、トルテュでした。まだ子ガメではありましたが、内向的で無口、平和主義で哲学者タイプ。  ラパンは、初めて見るカメに興味しんしん。遊びたくてたまりません。 「ねえねえねえねえ、あなたは誰?あなたは何て動物?あなたは・・・」  カメはうるさくて首を引っ込めます。 「キャ〜、首が引っ込んだ!何これ!面白〜い」  物静かなトルテュは呆れます。質問に答えようと首をヌッとのばすと・・・。 「キャ〜、出てきた!カワイイ〜!ねえねえねえねえ、遊ぼう!遊ぼう!遊ぼう!遊ぼう!」  トルテュがくちばしを開きます。 「ぼくは・・・」
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