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自分で言うのも何じゃが、我も残虐さでは負ける気はせんが、こやつらからは魔力も殺気も全く感じないのじゃ。
つまり平常心で微笑みながら皮を剥げるわけじゃ....生きている牛頭の。
魔王でさえ、そこまではしないであろう。
・・・・メリッサならやるかも知れんが。
「じゃあ出発」
女が巧みに馬車を操る。
そういえば気になっておるんじゃが....
馬はどこじゃ?
・・・・・・・・
「ここは何という国かの?」
「え?日本よ?」
「ニホンのどこなのじゃ?」
「山梨県の南アルプス市だけど....知らない?」
「初めて聞く名前じゃ」
「カミラちゃん....」
パトカーが山間の道を....んんんっ?
「道が平らじゃ....色も違う....」
「え!まさか舗装路を見たことがないとか?....それはないわよねえ....」
ホソーロという道なのか....平らに均し、それを維持するにはかなりの魔力が必要なはずじゃが....
「お?」
周囲が暗くなったぞ?
「トンネル入ったからね」
トンネルという呼び名の迷宮か。
どんな魔物が出るか....お、さっそく現れおったか。
向こうからけたたましい叫び声と怪しい光 が近づいてきおるわ。
「もう....トンネルの中であんなうるさいクラクションを鳴らして....回転灯つけちゃお」
女がわけのわからない事を言った直後に魔物の気配が消えおった....
何かの呪文か。
オマーリ家は呪教も?
これは我も吸血鬼王としての自尊心が騒ぎだすぞ?
是非この一族を支配して....
「カミラちゃん、トンネル抜けたらもう少しだからね」
「うっ、眩しいのじゃ」
迷宮を抜け出したのか....
「うがあっ!」
なななななんじゃ?
何じゃ?
「あれは一体....」
「ん?街に入るよー」
街?
街と言ったのか?
城壁はないが、見たことのない建造物だらけじゃ....
更に鉄の馬車が物凄い数じゃ。
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