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結局、爺が出してくれたオニギリという物を3個食べたが、一緒に食べたタクワンという野菜を何かに漬け込んだ奴がまた何とも味わい深い。
しかしだ。
「我が全部食べてしまった....爺の分が無くなってしまったな....」
「わしは家に帰ればいくらでも食べる事ができるから大丈夫だよ」
この爺は優しい。
油断大敵とか考えた事を深く反省せねば....
「ん?」
遠くから何かの鳴き声が聞こえる....
聞いた事のない魔物の声じゃな。
「ああ、パトカーが来たようだ」
パトカー?
そんな魔物は知らんぞ。
咆哮が近づいて来るのが分かる。
いかん!
我に親切にしてくれたこの爺は守らねば!
「あれがそうだな」
爺が指差す先にそれはおった。
「あれか....目が光り、頭の上から怪光線を放っておるではないかっ!」
更にあれほどの魔物が全く魔力を放出しておらんとは....底が見えぬ。
一発で仕留めねば....
爺が恐ろしさで手を振っておる。
そんな真似をしても魔物には効果はない。
むしろこちらに真っ直ぐ来てしまう。
魔物に隙を見せ、油断させておいて...
指を鳴らすと、魔物が足を滑らせてひっくり返った。
何じゃ?
起き上がれない所を見ると、さほど強くはないようじゃな。
「見かけ倒しか」
隣で爺が口を開いたままで固まっておる。
安心したようじゃ。
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