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「それで、このお嬢さんが?」
オマーリが爺に話しかけているが、こやつら二人共にオマーリという名のようじゃ。
兄弟か。
爺の態度から見てかなりの有力者のようじゃ。
まあ、あのような奇抜な馬車を乗り回すくらいじゃからな。
伯爵....いや、侯爵あたりか。
「お嬢さん、お名前は?」
ほう、我の名を知りたいと?
よかろう。
腰を抜かすでないぞ。
「我の名はカミラと申す」
「カミラさんね....日本語上手だね?長く住んでいるのかな?」
驚かない?
この世界でカミラを名乗る事が出来るのは我1人、唯一無二の存在である吸血鬼王カミラを知らんと?
「カミラさんの名字は何かな?」
「名字?そんなものは知らん!我はカミラ!それが全てじゃ」
オマーリは少し考えてから、また笑顔を見せる。
作り笑いじゃが。
「そうか....カ、ミラさんかな?どこの国の人かなあ」
「この国じゃ」
「そうなんだあ」
このオマーリという男....我から何か情報を得るつもりか....
うん?
何か臭うな。
この男の腰辺りから煙の臭いがする....
あれか。
剣ではないが、何か圧倒的な力を感じる。
魔力はないが、あれは危険じゃ。
我の危機回避能力がそう騒いでおる。
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