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後方の扉が開く。
薄暗い場内に眩い光が一斉に入り込んでくる。
五光を纏った新婦とその父親がゆっくりと入場してきた。
皆、その美しさに息を飲んでいる。
それは翔子も同じだった。
新婦と父親がゆっくりとヴァージンロードを進む。スマホのシャッター音が鳴り響く。新婦はヴェールで顔を隠したまま、父親の左腕に手をかけ、1歩1歩大事そうに歩む。
新婦が新郎の場へ辿りつき、互いに一礼した後、新婦の父は静かにその役目を終えた。新婦は新郎の左腕に手を掛け、今正に神父の待つ壇上へと上がろうとしていた。
「ダメ…」
彰太朗は耳を疑った。隣で翔子が何か言っている。
ダメ…?何がダメなの?
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