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「だめぇー!今すぐ逃げて!亜希!」
そう叫ぶと、翔子は観覧席から飛び出し新婦である亜希の前に走り出した。
彰太朗は呆気に取られていたが、これは尋常じゃない。
慌てて彰太朗も席を飛び出し、翔子の後を追う。
会場は何が起こったか分からず、騒然としている。
式場のスタッフが翔子の元へ一目散に駆け寄ろうとしたその時、開くはずのないチャペルの扉が、大きな音と共に力任せに開けられた。
「亜希…なんで…」
男の右手には刃渡り60cmの包丁が握られていた。
滴り落ちる血はヴァージンロードを更に赤く染めた。
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