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どちらから言い寄るでもなく、何となく気が合った。
互いに同性の友達がおり、いつしかグループで行動するようになった頃、互いが互いを意識し始めた。
その頃、彰太朗は空手に打ち込んでいたし、翔子は読書にのめり込んでいた。
互いの接点は友達だけであり、共通の趣味がある訳でもなかった。
しかし、2人の距離は自然と縮まった。何となく波長が合ったのだ。
高校卒業後、彰太朗は大学へ進み、翔子は高校を出て仕事についた。半導体を扱う会社の事務職。
時に残業をする日もあったが、大方は6時過ぎには仕事が片付くため、彰太朗の方がいつも遅くに帰った。
休みの日は2人で出かけ、映画を見て、夕食を一緒に食べた。
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