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 幼稚園の帰り道、創太はいつもの公園で仲良しのマー君とユウちゃんの3人で遊んでいた。しかし創太の手は砂場でケーキを作りながらも、耳は母親達の会話に集中している。  今週の日曜日、近所の総合運動公園にやってくるコスモレンジャーショーの話をしていたからだ。  創太はマー君とユウちゃんの3家族でこれを見に行くことになっていた。 「そーちゃん! 葉っぱのいちご! ずれてる!」  そんなユウちゃんの小言も聞こえないまま、創太は鼻息荒く耳を澄ませていた。創太にはもう一つの楽しみがあった。スーツアクターである父を友達に披露することだ。  ショーで演じるコスモレンジャーのリーダー、コスモレッドが父であるという事実は創太の何よりもの自慢だった。  創太は一度だけ父のコスモレッドをステージで見たことがある。舞台一面を駆け回り、宙を舞い、華麗に敵を蹴散らす父の姿。  それは何ものにも代えがたい創太の唯一となり、その日から父は創太にとってコスモレッドよりもかっこいい本物のヒーローになった。  あの日の感動を、誰よりもかっこいい父の姿を親友に見せることができる。それを思うと創太の胸は熱く高鳴り、まるで自分のことのように誇らしく思うのだった。  母の、とんでもない一言を聞くまでは。
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