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【ep その夜】
「有李斗、お疲れさま。リレーもカメラも大変だったでしょ?今日はゆっくり休んでね」
子供たちはすぐに寝て、有李斗と優はリビングのソファーに腰を下ろしている。
「お前も、いくつも競技に出て疲れただろう?」
「でも楽しかった。僕はこういう事できなかったから。みんなのおかげだね。月斗と李花にちゃんとしてあげられてる」
「そうだな。って、おい。泣くな…」
有李斗と話す優が、涙を流しながら喜んでいた。
「うん。でも、だって嬉しいんだもん。子供たちだけじゃない。僕も翔も、この歳になっちゃったけど、でも運動会っていうものを経験できた。ありがとう」
「楽しかったな。俺はやってこなかったわけではないが、今日みたいに楽しいと思った事はなかったんだ。だから、俺もありがとうな。お前たちと一緒だったから楽しかったんだ」
優を抱き締めながら、有李斗も自分の感じた事を素直に話す。
「こうやって楽しい事をもっと増やしていこうね」
「ああ。――さて、お前を充電させてくれ」
有李斗は優の顔を自分に向けさせてキスをする。
「僕も有李斗を充電…」
お互いの体温を感じながら、月斗と李花の初めての運動会の日は終わった。
―――有李斗の戸惑い、優の風邪、翔の二日酔いや月斗の反抗期、李花の感情の出し方など色々あった。そんな中で、翔と先生の養子の話もあり、短期間でどんどん環境も変化しつつある。有李斗は、大人だけではなく子供たちの事も今以上に見ていなくてはいけないと感じていた。それでも、有李斗の中では優は一番。優がいなくては何もできないし、始まらない。それだけはこれからも変わらずにいると思っている。このままずっと今のように幸せでありたい。そう思いながら、ベッドで横に眠る優を抱き締め、眠りについた。
~おわり~
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