いきなり借金するなんてお先真っ暗じゃない?

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  齢17歳にして、早くも3億デルの借金をする羽目になるなんて、誰が予想できたであろうか。夢、これは夢なのだ。 「エーフィー・マグ? 聞いているのですか?」    ううう、聞きたく無い聞きたく無い。ただでさえ今日は気持ちがブルーなのに、こんな追い討ちみたいな事が起こるなんて。いくら取り柄が元気な私でも、流石に泣きそうになるよ。 「は、はいぃ……––––。聞いてますよ、勿論」 「貴方って、マーフィー以外の親族は居なかったのでしたっけ? 確か両親ともお亡くなりになられてるわよね?」  私が小さい頃、母と父は流行病に掛かり、命を落としている。  物心付いた時には隣には大叔母様しか居なく、実質親みたいなものであったのだ。 「ええ、そうですが……は! つまり、そう言う事ですか?」 「察しがいいわね」  そのお金を、誰が払うと言うのだろうか。勿論、私しか居ないのである。  しかし払う当てなど無い、お金すら稼いだ事が無いのだ。 「良い仕事先を紹介しておくわ。貴方得意なことってあるかしら? 親友の姪ですもの、そのくらいの協力はさせて頂戴」  なるほど、お金を稼ぐには仕事をしなければいけないのか。まあそうだよね、当たり前の事さ。でもこれといって得意な事がある訳でも無く、何か特殊な経験を積んでる訳でも無い。困った、非常に困ったぞ。 「あ、あのー……得意な事って、特に無いのですが……」  自分で言っといて悲しくなるが、事実は事実。受け止めなければならない現実である。 「ふうむ、そう言うと思った。ハァ、困りましたね。それじゃあこの手段しか無さそうです」  引き出しから紙を一枚取り出し、机の上にそっと載せる。よっぽど大事な書類なのだろう、水や火にやられない様に魔法が掛けられてある。単純そうで、高度な魔法だ。 「あの、これは?」 「遺産売却書です」 「遺産売却書?」
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