幽霊東京

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…今までなりたかった夢とか、買ったばかりのボールペンとか失くしてきて、失うことに慣れたかもしれない。子供の頃の夢なんて、 とっくに忘れてしまった。 俺は何になりたかったんだ? どうなることを望んでいた? こんな事を考えることで時の流れを感じ、 いつの間にか涙が頬を伝っていた。 年のせいか、涙腺が緩くなってしまったもの だ。スーツの袖で涙を拭う。 ふと前を見ると、いつもと変わらない夜景が 広がっていた。涙で滲んだ目で見ても分かる程、東京の街はあまりにも眩しい。 その眩しさに何故か安心して、止めた筈の涙が、また頬を伝うのであった。
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