エピソード=-2 光と出産

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白?黄色?オレンジ?彼女にはどの色にも見えた。しかしそれを体験した彼女は当時、そんなことよりも、目を閉じているのに「像」が映る衝撃で頭がいっぱいだった。 その光の塊をしばらく見つめていると、光はどこかへ行ってしまい、遠くの闇へ消えかけていた。 するとケェペロザンニは怒り口調で言い放った 「ぼーっとするんじゃないっ!早く追いかけるんだ!」 彼女はその声に驚き、その光を追いかけるよう「意識」を前に進めようとしてみた。案外それは簡単に出来るもんだった。 しばらく光を追いかけていると、暗闇の世界に「自分の妊娠を知った自分」が映し出された。彼女は当時の驚きを思い出した。 光の誘導を更に追いかけていくと、それからパノラマ写真のように、そこから今に至るまでの自分の体験が映し出されていった。 そしてH.S.で椅子に座ってこめかみを触られている自分が映った。 光は壁に当たったように止まった。 光が止まったことに彼女の不安感が急に高まり思わず「未来はないのか」と口に出した。 光は壁に「絵」描き始めたんだ。かのじょはその様子をまじまじと見ていた。 そして絵は完成した。 粗雑な絵だが内容は分かった。 それは…… 自分が元気な赤ちゃんを抱いて喜んでいる姿だった。 5週間後、その「光の絵」に導かれたかのように、幾度の陣痛を乗り越え、彼女は元気な女の子を産んだ。
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