1348人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
みどりは、リビングの掃き出し窓をがらりと開けた。
とたんに海からこの六甲アイランドに吹き込む浜風が、彼女の肩までの髪を嬲る。
乱れた髪を抑えて晴れた青い空を見上げると、真っ白な薄い雲がまるで箒で掃いたかのように筋状に流れていた。
彼女はよいしょ、と洗濯したばかりの衣類が入っているカゴをベランダへと出した。
そして、一番上にあった洗濯物を手に取る。
ユニクロで買った彼のボクサーブリーフだ。
彼女はそれを慣れた手つきでピンチハンガーに干すと、すぐにまた次の洗濯物を手にした。
最初のコメントを投稿しよう!