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『あ、そうや……今度の日曜な、おとうさんがみんなでどこか遊びに行こか、って言うとうで』
昨夜、洋史から子どもたちに伝えるように言われていたことを忘れるところだった。
『ええっ、ほんまっ?めっちゃ楽しみぃーっ!』
下の娘が歓声を上げて、手を叩く。
『ほんで、宝塚ファミリーランドにするか、ポートピアランドにするか、阪神パークにするか、それともパンダを見に王子動物園にするか……みんなで決めといてくれって』
『えーっ、迷うなぁ……でも、智くん、日曜は部活あるんやっけ?あたしの方は仮病使って休むわ。あぁ、どうか先輩たちにバレませんように……!』
突然、上の娘が天に向かって祈り始めた。
『そやな……まぁ、僕もなんとかして休むわ』
中学生になって入ったばかりの部活なので、「新入りの下っ端」はなにかと気を遣うようだ。
『んーっとっ、あたし、王子動物園でパンダ見たいっ!』
そんな兄と姉にいっさい構うことなく、下の娘は声を張り上げた。
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