それからの日々

17/25
前へ
/39ページ
次へ
「ええの? ……わたしなんかが、智史くんに()うても」 両手でマグカップを包み込むみどりの指に、力が(こも)る。 「あいつがどう思うかわからへんけど、あれからずっと一緒におるのは……みどりやから」 洋史は口を歪めて、ふっ、と笑った。 あれ以来、彼が心の底から笑うことはもうない。 たぶん、みどりもだ。 ……なんて言われるねやろ? なにを言われても……なにも言われへんけれども。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1362人が本棚に入れています
本棚に追加