翌る朝(3)

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翌る朝(3)

 何かにせかされるように隆人が体をつないできた。  初めはこじ開けられる苦痛に息を詰まらせたが、すぐに楽になって、気持ちよさの波に呑まれた。  朝の生理現象に追い詰められていた体は隆人の手の刺激にすぐに吐精し、また次の波に包み込まれた。  つがいとなった今、隆人を感じて喜ぶことは正しい。喜んでいるということを知らせることも正しい。 「ああ……、あ、きもち、い……」  訴えると言葉の代わりになかを突き上げられ、抉られた。  胸が跳ね上がり、悲鳴がこぼれる。痛みではなく、いきなり大きな快楽に襲われた驚きだ。  とろとろに腰から溶けている気がする。隆人の動きに更にわけがわからなくなる。どこまで行けば果てがあるのか。既に体の裡と外と両方から責められて、高ぶりを吐き出してしまったのに、たぎる湯につけられたような何かが腰に満ちる。  今まであった限界が外れてしまったのかもしれない。あの大広間での異常なセックスに少し壊れたのかもしれない。  しかしそれでいいと思っている。これを選び取ったとわかっているから、このまま狂うようにセックスに溺れてしまえばいい。何もかも今は忘れてしまえばいい。それでいい。
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