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……
「ためやんおめでとう~!」
「雪乃、綺麗だよ~!」
「2人ともお幸せに~!!」
あの告白から1年後、僕たちは今周りに祝福されながら外へと続くバージン・ロードを歩いている。
綺麗な花弁が僕たちに降り注ぐ。
僕の隣では、夢原さんがウェディングドレスに身を包み、友人たちに笑顔で手を降っていた。
結婚を発表した当初は、かなりの騒ぎになった。(特に親の反応が凄かった。)
殺害予告なんて物騒なものが届いたこともあった。
Star Mirageの皆がYouTubeやライブでたくさん僕たちを応援してくれたお陰で、祝福してくれる人が多くなった。
皆には感謝してもしきれない。
雪「押野くん。」
為「ん?」
雪「また上の空状態になってたよ?どうかした?」
為「あぁ、いや、ちょっと色々と思い出してたんだ。」
雪「確かに、色々あったもんね。」
為「…本当、色々あったねぇ。」
雪「でも、私が一番思い出に残ってるのは、やっぱり押野くんから「結婚しよう」って言われたことかな。」
為「えっ!?」
雪「顔真っ赤にして、何度も噛んで、見てるこっちが不安になったくらい。」
為「うっ…。頼りなくてごめんなさい。」
雪「ふふっ…。大丈夫。私はそういうところも含めて好きになったんだから。」
為「…それは、喜んで良いのかなぁ。」
?「さぁ、皆さん、写真撮りますよ~!ならんで並んで!!」
皆が僕たちの周りに集まってくる。
?「ハイッ!チーズ!!」
パシャ。
中学の頃は、毎日死ぬことばかり考えていた。
正直、人生に期待なんて感じられなかった。
それでもこうやって生きていられたのは、夢原雪乃というアイドルがいたから。
そんな彼女が今や僕の奥さんだ。
人生何があるか分からないものだ。
どんなに毎日が辛くても、ほんの少し、些細な嬉しさや楽しさを感じることが起きれば、人は案外生きていけるものだ。
そんな些細な幸せのために、僕たちは手を取り合って、これからも生きていきたいと思う。
太陽の光が部屋に降り注ぐ中、写真立てに飾られた写真が一際輝いていた。
写真に写った男女は、アイドルのサインとCDを持ち、照れ笑いを浮かべていた。
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