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<1年前>
?「皆さん!今まで…ありがとうございました!」
パチパチパチ…。
会場から大きな声援と拍手が聞こえる。
僕、押野為雄(おしのためお)は、あるアイドルの卒業コンサートに来ていた。
涙ながらに御礼を述べ、ステージに立っているアイドルの姿を、僕は最前列で眺めていた。
目からは涙が溢れ、目の前が霞んで見えた。
彼女、夢原雪乃(ゆめはらゆきの)はアイドルグループ、「Star Mirage」のセンターを務めていた。
中学2年の時からだから、約8年ほどずっと変わらずセンターだった。
ルックスも去ることながら、歌声やダンスも上手く、「千年に1人の逸材」とまで言われていた。
そんな彼女が、今日アイドルを卒業した。
女優になるための夢を叶えるため、グループを離れる決意をした。
卒業前に出した写真集は、30万部を越える大ヒットとなっている。
彼女の卒業は、世界中のオタクたちを驚かせた。
僕もその1人だ。
僕は彼女がステージを去っても、しばらくその場に立ち続けていた。
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