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「止めろ…殺す」 苦しそうな龍田の口から、危ない言葉が出る。 「負け犬がキャンキャンと煩いよ。仕方ない、特別にサービスしてあげるよ。そこで目を見開いてよく見てるといい」 そう言うや否や、俺の襟首を掴み、クルリと反転させて、龍田の方に向けた。 何て馬鹿力なんだ… 俺は、いきなり襟首を引っ張られて、首が締まり苦しくて声が出ない。 悔しくて涙目で虎藤を睨む。 「涙目って(そそ)るよね」 俺の睨みなんて、全く気にせず、ニヤリと笑っている。 俺は恐怖で体を丸くしようとした。 「無駄だよ」
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