春の朝の回想

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春の朝の回想

春風が吹く朝、二人の男女が歩いていた。 「まさか、こんなすぐまた学校に通えるようになるなんて思わなかったな」 「うん、そうだね。あの後あんな事になるなんて」 二人は数日前の事を思い出していた ----- 「時雨、どこに行っていたの!」 女性は心配そうな顔をして時雨に問い掛ける。 「ごめんなさい、お母さん」 時雨は俯きつつ謝る。 「死にたい、死にたいって言っていたからもしかしたら、自殺したのかと思ったのよ」 時雨の母は志門に目をやる 「あら、あなたは?」 「黒城志門と言います」 志門は家が燃えた事、母も押し潰されて、それで行き場がなくなって困っていた事を話した 「そんな時、彼女が橋から落ちそうだったんで助けて家まで送ってきたんです」 「そうなの」 時雨の母は納得したように頷いた 「あれ、もしかして…」 時雨の母は何かを思い出したような顔をした。 「あなた、お父さんは黒城理仁さん?」 「えっ、そうですけどなんで知ってるんですか?」 志門は何故父親の名を知っているのか、訝しみながら問い返した。 「実はね…」 時雨の母曰く今宵家と黒城家は旧知の仲であり、どちらかの家に何かがあった場合、相手の家に預ける約束になっていたのだ。 「そういえば、さっき家が燃えたったて言っていたけれど、貴方は大丈夫だったの?」 時雨の母は真剣な顔をしながら、聞いた。 「はい、俺はなんとか助かったんですけど…」 時雨の母は悲しいような、懐かしいような顔しながら言った。 「俺は、ってことは……そう、香織さんは……」 そして時雨の母は志門に言った。 「母と知り合いだったのですか!?」 志門は驚きながら言った。 「ええ、昔貴方達が小さいころ時々家に家族で遊びに来ていたのよ。」 「「えっ、俺(私)達会ったことあるの?」」 ----- 志門達は学校に着いた。 「「おはよう」」 志門達はクラスメイトにあいさつをした。
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