新たな能力者

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新たな能力者

戦我原との戦いから数日後志門と時雨は友人達と煉瓦倉庫に行くことになった。  理由は3日前の給食の時である。 ー3日前、食堂ー 「ありあけハーバー食いたいな~」 給食中突然雷電がそう言った。 「何よ突然」 雷電の発言に時雨も吹き出しそうである。  「突然食いたくなったから、仕方ないだろ。あっそうだ今度の日曜買いに行かねーか?」  雷電の提案に志門も便乗する。  「確かに今度の月曜は昭和の日の振替休日で休みだから遅くまで行けるしな」 「じゃあ、そうしましょ♪」  嬉しそうな時雨を見て志門も嬉しそうである。 その時「先輩。僕も一緒に行っていいですか?」という声がした。 志門が声のする方を見ると後輩の樹村がいた。 「ああ、勿論。でも、部活は大丈夫なのか?」 「ええ、その日は丁度休みなんです。」 「じゃあ、待ち合わせの時間だけど……」 そう言い、志門達と樹村は日曜日の打ち合わせを始めた。 ー現在、明星駅前ー 「雷電、遅いな」 「そうね、どうしたのかしら?」 「きっと寝坊じゃないんですか?夕べゲームをしすぎて、寝不足とか…」 「いや、あいつに限ってそんな事は、いやあるか」 志門がそう言った時、 「すまねー、遅れた~」 「遅かったな、どうしたんだ?」 「いやあ、ゲームしてたら朝だったんだ。全速力で走ったから疲れた~」 全速力で走ったというには息が上がってない様子に不思議に思いながら志門は言った。 「まぁ、ブルーラインで一駅だけど寝ていてもいいからな。樹村が起こしてくれるから。」 「えっ、なんで僕なんですか?」 「「ハハハハハ」」 志門達はひとしきり笑った後、駅のホームに行くと何か騒ぎになっていた。それを見た志門は近くの人に話しかけた。 「どうしたんですか??」 「ああ、人が突き飛ばされるように落ちたんだ。で、でも、その時後ろには誰も居なかったんだ。」 見知らぬ人から事情を聞いていると、 「早く電車動かしてよ」 「な、何を言っているんですか。お客様。人が落ちたんですよ。」 少年が駅員に何かを言っているようだ。 「どうしても電車を動かしてほしいんですよ。だって動かせなきゃ正義の執行ができないじゃないですか。」 「お、お客様…何を…」 「駅員さん、少し眠っててもらいますよ。ザントマン」 少年はそう言って袋を担いだ老人のカードを取り出すと、駅員を眠らせた。そして、今度はスパナを持った小悪魔のカードを取り出し電車に何かをしようとした。 その時志門は戦我原を止めるために飛び出した。 「やめろ、戦我原」 「なんだまた君か、黒城」 「お前、今度は何をするつもりだ」 志門が戦我原に問い詰める。 「これから正義の執行しようと言うわけさ。」 「人を殺させるわけにはいかない。生きてればなに事もなんとかなるから」 その時、時雨は感動していた。 (志門君は誰でも優しいんだ) 「分かってないなぁ、君は。ザンドマン」 バタバタと周りの人たちが倒れている中、志門だけが一人立っていた。 「何故起きている!」 「さあな」 戦我原は冷静を保ちながらも、驚きを隠せない様だった。 「ふ、まあ良い、ペガサス」 戦我原は目にも止まらぬ速さで、志門に殴りかかってきた。 「ラミエル、ライジングサンダーボルト!」 すると突然電撃が走り戦我原に当たり彼を止めた。 「大丈夫か?」 雷電が近づいてくるのに志門は開いた口が塞がらなかった。 「雷電、なんで起きてるんだ」 「このカードのおかげさ」 雷を纏った天使のカードを見せてきた。 「お前もカードを持っていたのか。」 「ああ、そうだラミエルって言うんだ」 戦我原がカード出し逃げようとしていた。 「君達、2体1だなんて卑怯だとは思わないかい。だから僕には逃げる権利がある、ペガサス」 「待て、サラマンダー!」 サラマンダーのカードを使うが、もうそこに姿は無かった。 「ちっ、逃げられたか」 だが戦我原が居た場所に1枚のカードがある事に気がついた。 「なんだこのカードは?」 羽のない妖精の描かれたカードを見ながら志門はそう呟いた。
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