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あの日は僕の車に妙なキズやへこみがなかったことで、身の潔白が証明された。
しばらくして、女が回復したことを聞いた。警察を仲介に本人からも連絡があった。
「今度会いませんか」
ひと通り感謝の言葉を言い終えた彼女は、躊躇いながらそう言った。
「食事でもいかがでしょう。私がお支払いしますので」
さすがに申し訳ないと断ると、彼女はさっきよりも語気を強めた。
「私の気が済まないのです。無理を言っているのは分かっているのですが……」
僕は渋々、「分かりました」とだけ答えた。
「ありがとうございます! それでは、後ほどメールをしますね」
僕は不審に思いながらも、女性と食事をすることに浮かれていた。
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