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彼女はとても真面目だった。食事中も一切無駄がなく、僕が手洗いに行っている間に勘定を済ませていた。 本当に奢ってもらうつもりはなかった。少し情けなく思う。 「なにか手伝えることない? 退院したばかりで大変じゃないかな」 お互いに敬語をやめ、少し距離が縮んだように感じた僕は思い切って聞いてみた。 「実はお引越しをしたばかりだったの。お願いしてもいいかしら……?」 僕は頷くと、仕事が休みの日に行くことを約束した。
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