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力を手にして溺れたという所か。
まあ、元を断てば諦めもつくだろう。軽く撫でていつも通り元を壊すだけ…
「おぉう…カッコイイねぇ…そのクールな面ァ、泣きじゃくったら最高じゃね!?」
前言撤回。世に出すと他の淑女にも迷惑がかかりそうだ。
「…淑女の礼儀くらいは出来て欲しかったわね」
どこからともなく手にした小銃を携え、容赦なく引鉄をひく。
「がっ…!」
直撃したのは眉間。
掛け値なく急所だ。
「お、お前なんなんだよォ!?」
せっかく手にした鞭を無策に振るい、襲いかかってくるのだが、如何せん素人すぎるその動きでは当たるはずもない。
「下手に避けた方が当たりそう…」
と、1発ようやく身体にヒットしそうなものが来る。
「…っ!」
それを小銃で搦め取り、そのまま奴の鳩尾に向いた銃口は…
「ファイア…」
『burst mode』
凝縮されたエネルギー弾を放ち、暴漢を吹き飛ばす。
「がぁあああああああ!」
地に伏した彼から見える私はどう見えていたのか。
「く、くんなぁ…化け物…!」
絡んできておいてそれは無いだろうと思うのが偽らざる気持ちだが、まあそういうことらしい。
「…もう、力を使わないというなら見逃してあげるわ。どうする…?」
常識人なら迷わず力を捨てることを選ぶだろう。
が
「ふ、ふざけんなぁ!」
あれほど怖がっておきながら向かってくる彼の精神構造に呆れつつ、私は宣告する。
「チェック…」
『exceed charge…』
「!!!!」
放たれた光は敵の身体を捕縛する。
それはさながら三角錐を模した処刑台だ。
「火遊びはお仕舞いよ…」
「ーーーーーーーーーー!!」
光と同化した私に貫かれ、怪人は男の姿へと戻り倒れ伏した。
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