24人が本棚に入れています
本棚に追加
第03 ガールズラブを誓う僕
翌日の昼下がり、僕と雅美は、コンビニで買った安いお菓子の詰め合わせを持って、お隣を尋ねた。
呼び鈴を鳴らすと、扉から出て来たのは、イケメンな青年だった。
「初めまして、隣に越してきました、小野寺岬と言います、横に居るのが妹の雅美です」
「雅美です、宜しくお願いします」
イケメンな彼は、眠たそうな顔で出て来た物の、今ではシャキット体裁を整えている。
「ご丁寧に、有り難う御座います、明智 信一郎【あけちしんいちろう】、大学1年です」
彼は僕達に爽やかな笑顔を見せる、その後確実に、僕と雅美の胸を比べた・・・間違いない!
「これは詰まらない物ですがどうぞ」
僕はお菓子の詰め合わせを、彼に渡す。
「お気遣い有り難う御座います、お二人は姉妹そっくりなのですね」
彼は胸で勝手に普通の姉妹と判断したのかな、髪型も違うし双子を想定して無ければ、分かる気もするが・・・
「僕達は双子姉妹で、国際大学付属、国際高校へ通うために上京して来たんですよ」
「そうだったんですか、道理でソックリな訳ですね」
彼は納得した顔で、再び爽やかな笑顔を作った。
僕からしてみれば、鳥肌が立つような笑顔だ。
「今後、ご迷惑をお掛けするかも知れませんが、宜しくお願いします」
僕と雅美は、彼にお辞儀をして自分達の部屋へ戻った。
雅美は昼食の用意をしてくれてる。
「雅美、家も洗濯物を干すのは室内にしようね」
「2階だし、大丈夫じゃない?」
雅美から、手を休めず安易な言葉が帰ってくる。
「雅美隣が男性なんだから、用心しようよ」
昼食のパスタが完成した様だ、小さなガラスのテーブルに置かれた。
『頂きます』
美味しい!
本当に、女子力の高さが凄い。
「岬続きだけどね、隣の方は悪い方に見えないけどな、カッコ良いし、優しそうじゃない?」
「そうかな、僕には頭悪そうで、カッコ良くは見えないけどな」
雅美は、食事を続けながら呆れた顔で話す。
「岬は昔から理想が高すぎるのよ、隣の方は十分カッコ良いと思うわ」
確かに転生前の俺が10点だとしたら、彼は1000点かも知れない、しかし男に興味が無い以上、結論どんな男でも同じ答えに成る。
雅美は気に入った様だが、男の浅はかな下心は分かる、危ない様なら守らなければ行けないかな。
昼食後、雅美は片付いて無い部屋の整理を、再び始めだした。
側に居ると邪魔そうなので、部屋へ戻りギャルゲーを始める事にした。
雅美、本当に腐った姉で御免なさい・・・。
入学式当日
僕は目を覚ますと、ブレザーの制服に着替え部屋を出た。
「雅美、お早う」
「お早う」
おおぅ・・・双子なのに、雅美の制服姿は眩しい、姿見で見た自分の姿には無かった、輝きが感じられる。
既に朝食は並んでいた、座椅子に座り2人で食べ始める。
「岬、入って来た時に思ったんだけど、スカート短すぎよ」
「そうかな?」
雅美は少し強い口調で、今の長さでは普通に歩いてるだけでも、チラチラ見えてしまうと言う。
「食べ終わったら、雅美と同じ長さにしてくれる?」
「うん、後は私と同じメイクして上げるね」
出来た妹に感謝はするが、肌の手入れとか非常に面倒だ。
定期的に、雅美が手伝ってくれるから、今の美貌が維持出来てるんだと思う。
食事を終え、雅美に合格を貰ったら、2人揃って学校へ向かった。
昔からだけど、道を歩くと振り返る人、ガン見しながら通り過ぎる人が多いのは感じている。
雅美を見て思うのだが、自分も絶世な美女で有る事は自覚している。
『絶世』、それは神様に望んだ事だから、叶っているのだろうな。
学校が見えて来た。
また今日から女好きを悟られない様に、綺麗な娘、可愛い娘と接する毎日が始まるんだ。
「雅美、入学式の会場って分かる?」
「大丈夫だよ、パンフレットに載ってたから任せといて」
当然の様な顔で話す雅美、僕が読まない事は既に承知済みだったのだろう。
雅美に最初連れて行かれたのは、クラス分け掲示板だ。
どうやら姉妹揃って、同じクラス1年2組らしい。
次に連れて行かれたのは講堂だった、ここでも雅美は僕の手を引き、席まで案内してくれた。
席に座ると隣に座った雅美が、緊張した顔で話し掛けてくる。
「友達出来るかな・・・進学校だし、勉強ばかりにしか興味が無い人達だけだったらどうしよう」
「大丈夫だよ、そう言う人も居るだろうけど、青春を楽しもうとする人だって居るよ」
「そうだよね、良かった」
ホッと胸を撫で下ろす雅美。
雅美には悪いけど、青春は許すが恋愛は許さない、そして僕は、密かに素敵な娘と親友の関係を作らせて貰う。
自分勝手で、クズな考えなのは分かっている、でもこれは僕のせいでは無い、性別を間違えた神様が行けないんだ。
この3年間、ガールズラブに専念する事をここに誓う!
入学式も終わり、教室へ移動した。
教室内をみた感じでは、綺麗な娘、可愛い娘は居るようだ。
「岬、緊張するね」
雅美の表情が固くなっているが仕方無いだろう、僕と違って初めての高校なんだしな。
中学の時と違って、ここは競争率が高い高校でもある。
「雅美、何も心配しないで良いよ、僕が何時も側にいるんだからさ」
「そうだね、岬が何時も一緒だもんね」
雅美が、安心した時の表情も可愛くて好きだ。
何も心配しないで良い、雅美は僕の大切な宝物なんだから、留年もさせないし、悪い虫も追い払う覚悟だ。
楽しい、楽しい、青春の思い出を作って行こう!
最初のコメントを投稿しよう!