火星に行きたくありません

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地球に戻ると、大絶賛の嵐。 火星から持ち帰ったデータの分析が日夜行われた。 私たちクルーは地球の重力に慣れるためにまた数か月訓練が必要だったが。 私が見つけた鉱石は「世紀の大発見」と言われ、大絶賛された。 ジャンケンを思いついたSHAXAの社員が、私に言う。 「まさか帰りのエネルギー元を見つけるなんて。やはり運のいい方だ。あなたに任せて良かった」 「そのおかげで大変だったんですよ。私だってまさか選ばれるなんて思わなかったんですから」 「またよろしく頼むよ」 「もう二度と火星なんか行きません!」 私は大声で叫んだ。SHAXAの社員は笑う。 本当に二度とこんな茶番に付き合わされてたまるかっての! しかし、数か月後私はまた火星行きのシャトルに乗り込んでいた。 一度掴んだ栄光。人類の期待から逃れることはついに出来なかった。 だけれども、一つだけ復讐を果たした。 産休で抜けた人の穴埋めとして、新しく一緒に火星に行く人を私が選ぶように言われた。 私が選んだのは、ジャンケンを最初に思いついたSHAXAの社員蛇王健(じゃわんけん)さん。彼も次の火星行きのクルーに乗り込むことになったのだった。 ざまあみろ。
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