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『フェアリーナイト-契約の巫女-』は異世界の大帝国が舞台のファンタジーラブストーリーだ。
主人公は小さな田舎町出身の肩より少し長い茶髪の少女、マリー。
両親がマリーに対してとても過保護で、子供扱いするからもう18歳で子供じゃない事を証明するために大帝国で一人暮らしを決めた。
馬車から降りて、大きな荷物を抱えて大帝国の広さにとても驚いた。
狭い世界しか知らなかったマリーにとって大帝国はお空の上のような存在だった。
一歩進むだけで年頃のマリーにとって、とても惹かれる魅力的なお店が並んでいた。
甘い匂いがマリーを誘い、足を止めてしまい肩に重い衝撃が走った。
誰かとぶつかったのだと分かる前に、ぶつかってきた人がマリーの服の襟を掴んできた。
眉間にシワを寄せて筋肉質のゴツい男がマリーを見た瞬間、イラついていた顔がニヤニヤといやらしい顔に変わっていった。
身の危険を感じたマリーは必死に抵抗するが、細い腕では抵抗らしき抵抗も出来る筈はなかった。
周りの人達は遠目で見るだけで、関わりたくないからか誰も助けてくれる気配はなかった。
せっかく憧れの大帝国にやって来たのに、こんな事なら町から出るんじゃなかったと…後悔と絶望で頬が涙で濡れた。
ごつごつしたいやらしい男の手が動こうとした時、横から別の手が男の手を掴んだ。
そして捻り上げるようにマリーから男の手が剥がされた。
『いてぇっ!!何するんだっ!!』
『何をしているんだ』
氷のように冷たく美しい声が、男の怒鳴り声と共に耳に響いた。
鮮やかな青黒い髪が揺れて、漆黒の瞳がマリーを映していた。
彼は幼少期の頃、田舎町と大帝国の中心にある森に迷い込んだマリーを助けてくれた男の子にとてもよく似ていた。
その出会いが、マリーの人生を大きく変える出来事だとその時は誰も思わなかった。
それが、妹が貸してくれたゲームのオープニングのストーリーだった。
マリーはその後、元々住み込みで働く予定だった店が経営難で倒産している事を知った。
働く場所どころか住む場所もなくなり途方に暮れた時、使用人募集の張り紙が壁に貼ってあったのを見つけてエーデルハイド公爵家のメイドになる事を決意した。
攻略キャラクターは五人で、マリーの初恋相手の帝王直属の王立騎士団長カイウスとカイウスの兄でカイウスに劣等感を抱いている副騎士団長のユリウス。
カイウスに憧れる騎士のハイドレイ、女好きな帝王の第三王子のカイトとマリーの先輩メイドの女装少年ローズ。
妹が家に帰ってからも、暇を見つけてはゲームをしていた。
いつ退院してもいいように勉強をしながらゲームを進めていた。
文章もしっかりと作り込まれていて、イラストも女の子が好きそうなイケメンが沢山出てきていた。
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