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 深夜帯のメンバーがやって来て引き継ぎを済ませると、俺はいつものように店内を物色する。終わったのだから早く帰ればいいものを、そうしているところへ木場がやって来た。 「高木さん。今日は本当にありがとうございました」 「ああ、うん」 「同じ歳の人がいて、すごく心強かったです。正直心配していたんですよね。だけどこれならやっていけそうです」 「そう」  目を合わせぬまま頷いて、さっきカップ麺を入れたカゴへおにぎりを放り込む。 「夕飯は、いつもここの物を?」 「うん、そう」  木場は「へぇ」と口にしてから、自分もカゴを持って来て商品の物色を始めた。  ああいう女が夕飯をコンビニで済ませる事を意外に思いながら、カゴの品物をレジへ通す。  袋を腕にぶら下げ、店の外へ出た。  夜の帳が下りた街。暗闇と照明。そこに感じる思いは矛盾を孕む。内へ向かっていく静謐と、避けられない夜明けへの焦りや恐怖。  店の脇に止めて置いた自転車のチェーンロックを外す。照明のジリジリという音が耳障りに鳴っている。そこへぶつかり続ける蛾は、一昨日もここにいた気がする。  サドルへ跨がろうとしたところで「高木さん」という声。店を出てきた木場が、こちらへ駆け寄ってくる。緩みかけていた体が、再び強張る。  
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