二人の熱い夜は何かが長かった

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平凡かもしれないが、真奈美は社内恋愛と言っても、まだ片思いの日々が続いていた。しかし、ついに待ちに待ったこの日が来てしまった。落としたボールペンを拾おうとしたら、大好きな片思いの幸男も拾おうとしてお互いの指が触れた途端電流が走った。見つめ合った。もう離さない、離れない、このまま熱い口づけを交わしそうな二人だった。思わず我に返り、社内という現実だけがそこにあり、「あっ、ありがとうございます。」と真奈美が顔を赤らめながら言った。幸男は「どう致しまして。」とニコッと笑いながら、スマホの番号メモを誰にも気づかれないように渡した。舞い上がる真奈美はお昼休みに早速連絡し、待ち合わせをした。真奈美にとっては、これって夢なの信じられないとドキドキが止まらずにいたが、待ち合わせの場所に彼が先に来ていた。「僕のマンション来る?」と聞かれ、今夜もうお泊りなのと失神しそうになりながら、これはもう夢だわ現実じゃないとスーパーで二人で買物をして、「ヤダ、これって新婚さんなの。」とスキップが止まらない。「おじゃましまーす。」と中に入り玄関ドアを閉めるや否や彼の熱い妄想ではない唇が激しく襲って来た。イヤダーここで結ばれるの、ベッドへと思ったのに。「ごめんね。キミがあんまり可愛いから、僕ってセッカチだよね。お腹空いたよね。食べよう。」と彼が微笑んだ。いいのよ私を先に食べてもという顔をしながら、テレビを観ながら、ワインで乾杯してオードブルをつまみながら、彼がパスタを茹でてくれて、レトルトソースを温め、簡単なサラダを添えてくれた。「デザートにはキミを食べちゃおうかな。」と笑った。この男はいつもこうやって女を誘っているのかなどと考えてもいない真奈美は、もう今夜はどうなっても構わないと酔いが回り、しかし、パスタを食べた後何故かトイレに行きたくなり、そういえば便秘が続いていたからと、「失礼ちょっとトイレに。」とスッキリした後にトイレットペーパーが無かったことに気づいた。そうして、彼女はトイレの中から叫んだ。「幸男さん、トイレットペーパーが無いのよ。お願い。」幸男は叫んだ。「ごめん、売ってなかったからないんだ。ティシュペーパーも切れてるし、売ってなくて、キッチンペーパーも何にもないし、それよりトイレ壊れてるの忘れてた。修理今から来てくれるかな?」真奈美は超現実におののいた。ポケットティシュもない。私のウンチ隠せない。今夜のは28イヤ30センチはあるかもしれない。お尻はもうこうなったらハンカチがあるさ。しかしハンカチで隠せない。便器がつまりに詰まる。そして、また叫んだ。「幸男さん、お願いトイレットペーパー何処かで見つけて買って来て。」「またコンビニか薬局行ってみるよ。待ってて。」しばらくして帰ってきて「やっぱもう何処にも売ってなかったから公園で葉っぱ拾ってきたから拭いてみる?」真奈美が三度目に「テメー、この野郎何時代に生きていやがるんだ。ワレのケツを葉っぱで拭けってか?ハアッ。」もうそこにはモロ現実しかなかった。トイレのドアをバタンと閉めて「さいなら。」と立去る真奈美。トイレのドアを開けて長さに驚愕する幸男。しかし、「コイツ胃腸丈夫なのかな?こんなお土産置いてくなんて凄いヤツだ。明日プロポーズしようと決意した幸男だった。
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