十.

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十.

 翌日、いつもより早く家に帰って来た父親がモ吉に言った。 「おめえに大事な話がある」 「分かったぞ」  モ吉は素直に返事した。 「おめえのおっかあはなあ」  父親はそこで一旦言葉を区切り深〜く息を吸い、ゆっくり吐いた。  そしてこう言った。 「おっちゃんなんじゃ」  「……」  モ吉は言葉を失った。  翌日モ吉は家を飛び出し、恐怖で二度とその家には帰れなかったそうな。  一方、モ吉が共に暮らしたあのじいさんとばあさんはというと  あれからじいさんはバクチをやめ真面目に働くようになり、ばあさんと仲良く暮らしたそうな。  めでたし、めでたし。         おしまい。。。
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