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三.
ある夕飯の時だった。じいさんはガツガツ飯を食って
「もっと飯を食わせろ〜! ぐほっ!」
喉をつまらせた。
「働かねえじじいは、もう飯食うな〜」
ばあさんは悲しんでそう言った。本音とともに出るはずの涙はもうすでに枯れ果て、出てこなかった。
「ぐぶっ!」
「おっかあ、おっとうが死にそうじゃ〜!?」
モ吉は心配そうにじいさんを見ておった。
「茶を飲むんじゃ〜」
「ぐほっ……!」
茶を飲むとじいさんはまたむせた。
それからばあさんがじいさんの背中をさすってやると、やっとじいさんは良くなった。
「悪いこというからバチがあたったんじゃ〜」
ばあさんは言った。
「そうじゃ〜」
モ吉も言った。
「ばあさんや〜、わしがすまんかったぁ……」
じいさんが謝るのは数年ぶりだった。
つづく。。。
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