四.

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四.

 ある日モ吉の噂を聞き付けて、一人の屈強そうな眉をした侍が尋ねて来た。 「お主の相手はこの村にはもうおらぬ。城に来い」  侍はそう言った。 「お侍さま〜おらぁ、この村から離れたくねぇ。断るぞ〜」  モ吉がそう返すと 「ならば……」  侍が鞘から刀を抜き放った。それをモ吉に向かって振り下ろそうとする。 「待ってくだせぇぇ〜お侍さま〜! 代わりにわしが!」  慌ててじいさんが叫ぶと侍は動きを止め、じいさんの顔を見詰めた。 「……」  じいさんがほっとすると 「いざっ!」  再び侍が刀を振り下ろそうとする。 「なら、ばあさんが!」  侍が動きを止め、じいさんの顔を見詰めた。 「……」  じいさんはほっとすると 「いざっ!」  再び侍が刀を振り下ろそうとする。 「待ってくだせぇ!」  今度はモ吉が叫び、侍は動きを止めた。 「やっぱりおら、お城に行きます! おらが死んだら、おっとうもおっかあも飯が食えなくて死んでしまいます」 「ならば、付いて来い」  こうしてモ吉はお城へと行くことになったそうな。         つづく。。。        
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