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──ガブンッ!
少年はホロミ先生の美しく整った顔を噛みちぎり、ホロミ先生の顔を覆った皮膚がベリベリッと剥ぎ取られた──
そこにはもう学校一の美貌をもったホロミ先生の顔はない──
だが、血と筋肉と骨がむき出しになったホロミ先生は生ける屍のようになってもなお、レミアの死体のそばへ歩み寄った。
ホロミ先生は顔をうつむくと、顔からポタポタと血が流れ落ち、レミアの口元に吸われていく。
ホロミ先生は生ける屍の顔とは対照的に穏やかな声で呟く──
「ほら……ちゃんとよくお飲み……“眠り姫”……」
すると、レミアの体がぶるぶると震えはじめた──
レミアの裂かれた腹から飛び出した腸がまるで水を浴びた魚の如く跳ねあがり、引きちぎられた腸の先端面がパックリと割れ、みるみるうちに生物の口へと形を成していく。
ぱちっとレミアの目が見開いた──
瞳が血のように赤く染まったレミアは曇った表情を浮かべ、立ち上がるとホロミ先生から浴びた血を手で拭い取った。
ホロミ先生はレミアの覚醒を祝福するように優し気な声色で声をかけた。
「──おはよう。レミア……“夕飯の時間”だ」
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