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レミアは自身の裂かれた腹からうねうねと伸び縮みする腸の怪物を操り、腸の裂けた口からイビツな形をした不揃いの歯が剥き出しになった途端──蛇のような動きで腸の怪物は宙を這い、勢いよく少年めがけて突撃した。
──キシャアアアア!
「──……!」
血濡れの少年は反射的にひらりとかわしたが、腸の怪物は即座に宙で方向をぐるりと変え、少年の右腕に喰らいついた。
「──……グギャッ!」
少年は子供に見合わない獣のような奇声をあげた──
すると、腸の怪物は少年の右腕をもぎ取り、ボリボリとかじるとレミアの欠損した右腕が新しく生え始めた。
……だがしかし、レミアは右腕が再生してもなお、曇った表情を崩す事はなかった。
少年は最後のあがきでレミアに突撃を仕掛けた──
と、次の瞬間──
血濡れの少年はレミアの鼻先でぴたりと動きを止めた。
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