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「ミクホってどんなところなの?」
衣織「俺っちもそんな行ったことないからわかんないっすね」
遼矢「確か戦術とかに特化した街だった気がしたな」
涼加「遼矢は知ってるの?」
遼矢「ほんとに数回だけ建材取りに行った気がするな」
衣織「建材っていろんなところに取りに行かされるっすもんね」
世來「わたくしの記憶が正しければなんだか特別な蜜が取れて、それを使っていろいろな物を作っていた気がするわね」
柊「アヴェールっていう蜜だと思うぞ」
世來「柊も知っているのかしら?」
柊「楸から何回か聞いたことがあるんだ」
衣織「楸...?」
柊「ああ、楸っていうのは俺の兄貴だよ」
衣織「お兄さんがいたんっすね!」
世來「もう一人いましたわね」
柊「ああ、雛っていう妹がいる」
衣織「三人兄弟っすか!いいっすね~!俺っちも兄弟欲しかったっす!」
「衣織一人っ子なの??」
衣織「そうっすよー、こうみえて一人っす!」
祐菜「そう考えたら兄弟いる人って結構いる感じしない?」
嵐太「確かにそうかも、俺も妹がいるし」
涼加「叶翔にも妹がいるよ」
遼矢「長善にも兄弟いるし」
「意外といるもんだね」
世來「そんなこと話していましたら独特な匂いがしてきましたわよ」
祐菜「ほんとだ、あ!門が見えてきたよ!」
柊「この匂いがその蜜の匂いだな」
「み、みんな平気なの....?」
衣織「え、なおくんこの匂いきついっすか??」
「うう...結構というか、かなりしんどい」
涼加「違う世界の人だからかな?」
嵐太「町には入っても大丈夫な感じ?」
「行くだけ行ってみるけど、ダメかも...」
遼矢「無理ならすぐ言えよな、他のみんなは大丈夫か?」
祐菜「うち鼻利くけど全く問題ないよ」
衣織「俺っちも大丈夫っす!」
世來「わたくしも大丈夫ですわ」
嵐太「俺も平気」
涼加「私も大丈夫だよ」
柊「俺も」
「ほんとに俺だけなのか...」
遼矢「入るのキツそうなら俺先に入って、何か匂いの防げそうなもん買ってくるぞ」
世來「わたくしの治癒魔法の中にも匂いを防ぐ魔法はありませんわ、覚えたらよかったですわ」
「ありがとう、でも何とか頑張ってみるよ」
嵐太「じゃあ早く行って匂いの防げそうなもの探そう!」
衣織「って言ったはいいものの、そんなのどこに売ってるんすかね」
祐菜「とりあえず建物の中なら匂いもましになりそうだよね」
柊「あそこのでかそうな店なら何かしらありそう」
涼加「よし、行こう!」
「建物の中のほうがやばいかも...........」
遼矢「うおっ、尚斗大丈夫か?」
「俺外で待っててもいい?」
衣織「なら俺っちも外で待ってるっす!」
遼矢「わ、わかった、俺らも手分けしてすぐ探して戻るから待っててくれ!」
涼加「尚斗のためにも急いで探すよ!」
衣織「なおくん大丈夫っすか?」
「建物の中よりは平気...うぅ...」
衣織「そっか、その蜜で作られたものが多いから建物の中のほうが匂いきついのも当たり前っすね!」
「ちょっとは落ち着いてきた...」
衣織「お水でも買いに行くっすか?」
「そうだね、少し歩いたほうが楽かも」
衣織「でもなんで匂いでこんなにやられちゃうんっすかね」
「俺もよくわかんないけど、臭いってより頭が痛くなる感じの匂いなんだよね」
衣織「俺っちは特に鼻につく感じの匂いはしないっすね」
「みんなそうなのかな」
衣織「とにかく何か匂いの防げるものが手に入ればいいっすけど」
「...??」
衣織「どうしたっすか...?」
「いや、あそこにいる顔に何かつけてる人...」
衣織「...あっ、なおくん?!」
絶対にそうだ!!!
衣織「ちょっ、なおくん!どこいくんっすか!なおくん!!」
くっそ、匂いでどうにかなりそうだ...でも、今追いかけなきゃ絶対見失う
「はぁ...はぁ...」
人が多すぎて通れないな...こうなったら上から行くか
「よっ!!!!」
衣織「えぇ?!な、なおくん?!待ってくださいっす!よっ!」
「あぁ、ごめん、あの仮面かぶってる人見失わないでくれ、うぅ...」
衣織「大丈夫っすか?!無理しないほうが...」
「大丈夫だから、追うよ!行ける?」
衣織「なおくんがそういうならついてくっすよ!」
「よし、まだ見えるな、ふぅ...このまま屋根の上にあがるよ」
衣織「はいっす!」
「よっと」
衣織「ほっ!うわぁ、ちょっと高いっすね」
「どこ行ったかな」
衣織「あ!あそこっす!」
「よし、ついてきて!」
衣織「任せてくださいっす!」
ここからならスムーズにいけるな、あとちょっと...
「よっ..と!奈南!」
奈南「尚斗?!なんでここに!てか今上から???」
「やっぱ奈南だ!よかった!!見つかった...う...やばいかも...」
衣織「なおくん!!!うわぁめっちゃ顔色やばいっす...休憩したほうがいいっすよ」
奈南「大丈夫...?私さっき買った水あるから飲んでいいよ」
「あぁ...ありがとう...」
奈南「とりあえずそこのベンチに座ろう」
「ごめんね、だいぶ落ち着いた」
奈南「よかった」
衣織「よかったっす、あなたが奈南さんなんっすね」
奈南「うん!君はなんていうの?」
衣織「俺っちは環座衣織っす!傷だらけのなおくんを看病して、俺っちは今なおくんの案内係として一緒に旅してるっす」
奈南「そうだったんだね、私は目が覚めたらこの町のお医者さんにいて、いろいろ話したらかなり助けてくれたの。1人でみんなのこと探しに行こうかって何回も思ったけど、行かないほうがいい気がしてこの町にとどまってたんだ」
「ここにいてくれてよかったよ...ところでなんでそんな仮面なんてしてるんだ?」
奈南「あぁこれ?私この町の匂いがどうも苦手で...助けてくれたお医者さんが作ってくれたの」
「奈南もここの匂いが苦手なのか?!」
奈南「え、うん、尚斗ももしかして苦手なの?」
「この匂い頭がすっごく痛くなる匂いで苦手」
奈南「私も頭すっごく痛くなる!」
衣織「じゃあそのお医者さんにたのんだらいいんじゃないっすか!!」
「手作りなんだよね、大丈夫かな」
奈南「ものすごく優しい人だったから私は大丈夫だと思うよ、ちょうどお礼のもの買いに行ってきて、今からその人のところに行こうと思ってたんだけど、行く?」
「ぜひそうしたいな」
衣織「そういうことならダッシュでみんなに知らせてくるっす!ここで待っててくださいっす!」
奈南「あ、行っちゃった」
「衣織はそういうやつだよ」
奈南「みんなも一緒なんだね」
「叶翔と長善がまだ探せてないんだ、他のみんなはもういるよ」
奈南「それじゃあ早く探しに行かなきゃだね」
「そうだね、今度こそマーラスを倒さないと...うぅ...」
奈南「だ、大丈夫...??」
「動きすぎたかも...ズキズキする...」
奈南「無理しないでね、水飲んで」
「ありがとう」
奈南「正直尚斗の声が聞こえたときすっごくほっとしたの、もしみんなが無事じゃなかったらとかずっと考えてたから」
「........」
奈南「この町に飛ばされて目が覚めた時、みんながいなくてヒヤッとして...大丈夫って信じてたけどやっぱり怖くて、今こうして生きて仲間に会えてほんとによかった」
「俺も1人になったとき今までにないくらい怖かったし、いっそのことこれが全部怖い夢で、覚めればいいとまで思ったよ、だけど俺はここで動かなきゃみんなに顔向けできないって思った」
奈南「うん...」
「近くにみいなもいて、町で衣織にも出会えて、それだけでも救われたよ」
奈南「私も先生にいろいろ話を聞いてもらえたから少しは落ち着けた」
「きっと叶翔と長善なら大丈夫だよ」
奈南「そうだよね、私もそんな気がする!」
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