始まり

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裕二は着いて行かなくても良いことになって喜んでいたが俺は行かなきゃならないことにまた不満を持っていた。「行くなよー!!」と駄々こねられたがなんとかその門を突破して風紀室へと到着した。 「そこに座れ」 中に入ると委員長から視線でソファへと促される。 「うっす」 「敬語」 「はい」 ソファに腰掛けると関西人が俺達が入って来たドアを閉めるのが目に入った。後ろから着いて来てたの気づかなかった…。 委員長もテーブルを囲むソファの俺が座っていないもう片方のソファに腰掛けた。 「さあ、聞き込みを始めるぞ」 …尋問が始まりそうだ。 「それで、あのバ会長はその久遠 裕二にキスをしたのか」 「はい。久遠 裕二はその後凄い泣いて怒ってました。立派な被害者です」 俺は会長をより完全な加害者にする為に悪い方向へと導かせていた。だって会長許さねえとか言ってきたし、そんならこっちも許さねえ(?)。 「じゃあやはりバ会長が全ての元凶という訳だな。本当になんであんな奴が会長になってしまったのか…」 「本当になんでなったんすか?」 「おい言葉遣いが戻ってるぞ。…ここの学園はな、生徒会は人気投票で決まるんだ」 「は?だからあんなイケメン勢揃いなんですか」 「…まあ、そうだな。認めたくはないが、バ会長は人気投票で1位を勝ち取った。だから会長という1番重要な役割を担ったんだ」 委員長は俯いて深いため息をつく。よっぽど悔しいらしい。 「風紀委員は普通に入れるんですか?」 「ああ、人気投票なんて馬鹿な真似はしない」 「でも委員長も普通にかっこいいですよね」 それを聞いた委員長は「は?」と目をカッ開く。 「貴様…いきなり何のつもりだ」 「え、だから委員長もかっこいいし人気投票も結構惜しかったんじゃないかと」 関西人からもらったお茶を半分飲む。 「確かに俺はあと1位のところで生徒会に落ちた」 「いやまじ惜しすぎかよ」 「…正樹」 名前を呼ばれて再び委員長の顔を見ると、はずかしそうに顔を紅潮させていた。 「誰にでもそういうこと、言ってないんだろうな」 「言ってないですよ…え、もしかして照れてます委員長」 「はあ!?誰が照れるか!そんな訳なかろう!!」 否定するのに必死なのか声が一段と大きくなる。 「会長より断然委員長のがいいですね、かっこいいしおもろいしいい男ですし」 からかうのも兼ねて更に褒めてみる。委員長の顔はもうタコのように真っ赤になっていて湯気が出ていた。
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