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動きたくても動かない体をおんぶされて連れていかれるとその奥の部屋にあったソファに放り出されて、先輩は上に覆いかぶさってきた。
だがボーッと俺は今何が起こっているのか全く理解していない。
「あーちょい薬入れすぎたかもしれへんなぁ。焦点が合ってへん」
「…くすりって、なんの、ことだよ…」
「あ、会話出来るやん。呂律回ってへんけど」
体の上に乗っかっている先輩はまた獣のような目を光らせて、ニヤリとしながら俺を見下ろした。
「お前が飲んだお茶、アレん中にこっそり媚薬を入れといたんや。警戒せずに飲むなんてやっぱり外部生やなぁ…出されたものはお菓子であろうと用心する。これはこの学園での常識やねん」
「…しら、ねえよ」
「ははは!涎垂らしとる!可愛ええなあー!」
よっぽど悦ばしいのか高らかに笑っている。そんな先輩に対して怒りが湧いてくるが、体は言うことをきかなくて、ただ震えるだけだった。
「おまえ…ふうきいいんなのに、こんなこと、して…わかってんのかよ…」
「…そうやったなあ正樹は知らんのか。実はな、俺は財閥家の息子なんや」
「…は?」
本当にそういう奴ってこの学園にいるのかよ。かなり身近な人物でもあって驚いた。
てことは、先輩は財閥家だから金で解決出来るとか言いたいんだろう。クズすぎる。
「まあ察したよな、てことでそろそろ触らせてくれへん?もうこっちも限界なんよ」
と言って俺の太腿に硬くて熱い何か…わかりたくもないそれを擦り付けてくる。やめて俺ホモじゃない。
「…っ!まっまてよ!くそっ」
「わひゃー媚薬のお陰?くっそ敏感になっとるやん」
何がわひゃーだクソが。いつか復讐してやる。
先輩は驚愕なことに服の下に手を入れてきて、俺をその気にさせるようにいやらしく肌を撫でる。
「っ!んっう…」
「声我慢せんでええよ、可愛ええから」
我慢するに決まってるだろ。喘ぎ声なんて俺からしたら屈辱でしかねえわ。
「まさき、舌出して」
「や、くんな…」
ギラついた目が目の前まで迫ってくる。うわあ、キスされるやつじゃね?これもデジャブだ。頭に風早にされそうだった光景が思い浮かんだ。この際いっそ風早でもいいから助けに来てくんねえかな。
希望を捨てて諦めて目をギュッと瞑った時だ。
力強いドアの音と共にそいつは現れた。
「おい、正樹から手ぇどけろ」
すげえ、まじで助けに来てくれた。その声の主に目を向けた瞬間熱くて仕方がない体も限界だったのか、俺はブラックアウトしてしまった。
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