さよなら俺の平穏

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奏佑先輩が言ってた好きな人って、やっぱり俺のことなんかね? 昨日の保健室でもその後風早に適当に誤魔化しながらその事について聞いてみたけど、 「傍から見て馬鹿そうなあの人が強姦なんてするとは考えられなかったし、好きな人なんて間違いなくお前だろ」 非常にびっくりんごである。俺を強姦するのが初めてって聞くとなんだか妙な説得力がある。そうだとしたら何故何処でどのように俺を好きになったんだ…。 リアルに戻って、それからは生徒会達も来ることはなく、無事朝食を終えることが出来た。ただ裕二の追及がとてつもなくしつこかった。「アイツらとどんな関係なんだよ!!」「アイツらにはもう近づくな!!」とか…不良が止めようとしてくれたが、風早は不機嫌そうに眉をしかめて口をへの形にしたまま意外な事に関与してこなかった。 ヒエッ、なんで怒ってんの。 そのまま無理やり裕二に隣にいることを固定するように腕を組まれながら教室に向かう。裕二の真の姿が女の子にも見えるのでなんとも言えない気持ちになる。 不良は途中でお別れだ。風早も…ってあれれー? 「風早、お前同じ教室だったっけ」 「…は?知らなかったのかよ…知らなかったのーあははー?」 取り繕うとしてるのはわかるけどなんか腹黒キャラみたいになってしまっている…。 教室に入るとやっぱり皆も目玉をまん丸にしてギョッとしていた。裕二案件だなこりゃ。 時計を見るとそろそろHRが始まる時間だったためそれぞれ別れて席に着いた。 後ろの席の裕二は「トイレ行ってくる!」といらない報告をして教室を出て行った。 先生が来るまで本でも読んでようかなと机の中に手を入れた瞬間だった。 「…っいでっ」 指に強い痛みを感じて顔を顰める。指を見ると、真っ赤な液体が零れ出ていた。 それに気づいたのか隣の席の水瀬がBL本から視線を外してこっちに移してきた。 「…え!?ちょっと大丈夫マサキっち??」 「…イラつく」 何故イラつくかって?机の中を覗いたらカッターが剥き出しにして置いてあったからでぇーす。明らかに誰かが仕掛けた。 「初日からそれってすげえハードなやつじゃん…とりあえず保健室行く??」 「いや、大丈夫。ぶっちゃけ今は苛苛の方が圧勝してる」 「そ、そっか…」
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