さよなら俺の平穏

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HRが終わると小柄で中性的な男子達が4、5人ぐらい揃って俺の席に駆け寄ってきた。 「ねえ…ちょっと来てくんない?」 すごい背中に炎が見えるんじゃねえかって思うほど怒りを露わにして。 わー制裁ってヤツ?? 「会長様を怒らせたってことは、僕達を怒らせたのと一緒なの」 「そうだよ!今日の朝も委員長様と副委員長様にあんな失礼な真似をして!!」 人が通らない体育館裏まで連れられて滅茶苦茶すぎる屁理屈に気迫される。 つーか副委員長様って、奏佑先輩って副委員長だった感じか。 「あのさー今日の朝俺の机の中にカッター入れたのってお前ら??」 「無視しないでくれる!?って、カッターなんてそこまで大人気ない真似僕達がする訳ないでしょ」 理屈はちょっとすげえ所に飛び越えちゃってるけど常識ってものは兼ね備えているらしい。 「ひとまず言っておくけど、俺からはその会長様達に接してないし、俺は男は好きにならないんだよ」 「はあー!?そんなの信じられないし!」 「信用すると思ってるの!?」 どんだけこの学園はノンケに対しての信用度が低いんだ。 「それなら今から俺のこと制裁?すんだろ?今から何されんの」 「…どんだけ余裕あるんだよアンタ、アンタなんてこうしてやる!!」 顔を真っ赤にして憤然としている小柄グループのうちの1人が懐に手を突っ込んだ。 何を取り出すんだと妙な緊張感が俺の中で流れる。 「アンタなんて、亀甲縛りの刑だよ!!」 なんと手にしたのは長いピンク色の紐だった! 「は!?え、ちょ、むごっ…」 他の小柄くん達に口をガムテープで貼られ四肢を抑えられる。 さっきまでカンカンに怒っていた小柄君がロープを持って息をhshsさせながら近づいてくる。もしかして顔が真っ赤だったのも興奮してたからなの?? 「この日の為に僕は何年も練習して、人形相手で亀甲縛りを完璧に仕上げられるようになったんだ…僕の練習成果、とくと味あわせてあげるよ」 俺は涙目にして恐怖に震えながら思った。 やっぱりこの学園、狂いすぎだろ。
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