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「あ?俺はそいつらにくっそ恥ずかしい目に合わされたし!一生の恥だっつーぐらいのな!」
ビクッと震えたそいつらを顎で指してうざったそうに首を横に曲げながら無表情で俺を見下ろすそいつに訴える。
プライドからか俺は笑みを浮かべ余裕を装う。
「亀甲縛りを甘く見んなよ、お前はやられてもへっちゃらなんだろうが俺にとってはぁぐっ!!」
腹に激痛が走って床をゴロゴロと投げ出される。苦しくて咳が止まらない中、先程より一層冷たい目が俺を見据えた。
「あのさぁ…コイツらを助けようとしてんだろうけどさ、その正義感振りかざしてんのウザイだけだから」
腹の痛さでぼーっとして何言ってるかわかんなくなってきた…。
「あーごめんね、腹強く蹴りすぎちゃったね意識飛ばさないでね」
「うっ!」
また強く顔を叩かれて無理やり覚醒状態にされる。
すると突然そいつが掌をグーでポンと叩いて閃いたとでもいうような動作をし出した。
「あっそうだ、それかこの子達の分の制裁も受けてくれるなら解放してあげてもいいよ」
可憐に微笑むそいつの後ろに漂う雰囲気が明らかに違う背がデカくてがたいがいい男達が現れた。やる気満々なのか口元を緩めて気持ち悪い顔をする奴や指をポキポキならして準備運動をする奴もいた。
「…はっ、俺をボコボコにする気かよ。別に余裕だわ。かかってこいよ」
死ぬ訳でもないし骨が折れるくらいなら構わないと笑いながらわざとその男達を挑発した。男達はまんまと挑発に乗っかり足を踏み出すが、
「やっぱ待って」
とつまんなさそうに下を向くそいつが腕を出して男等の動きを制止させた。
「あぁ?なんで止めんだよ!」
「止めんなよ!」
とブーイングの声が飛び回るが、怯むこともなく軽々と話す。
「だってー、こいつ余裕かましてばっかでなんかつまんないじゃーん、あ、なんならレイプでもいっか!」
なんの感情も籠ってないあっけらかんな声とは裏腹に笑顔で言った。
レイプという単語を聞いて開いた口も塞がらなく、流石に余裕の笑みも消し飛んだ。
「…は?」
「確かにこいつノンケっぽいもんなぁ、中々レアな体験かもしれねえ」
「顔もよく見りゃ悪くねえな」
男達は俺を高評価してくるが、もちろん嬉しいわけが無い。
奏介先輩に襲われたことがトラウマになっているのか、俺は顔色が蒼くなりこわばった顔になるのを感じ、ガタガタと恐怖で震えながら必死に説得する。
「は、はあ!?お前らやめとけよ、こんなブスな俺の尻掘ったってなんも得しねえぞ!さっき糞したばっかだし、それに…」
それに…あれ、言葉が出てこねえ。その様子を見てそいつは頬を赤く染めて法悦の笑みを浮かべた。
「あっは!口をパクパクさせてさぁ、言葉が出てこない程怖いんだねえ…ざまあみろ」
冷笑したそいつの顔を見た次の瞬間俺に次々と伸びてくる男達の手に深い絶望感が襲った。
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