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「おいゴリズンー!移動教室一緒に行こうぜ!!」
「う、うす」
「おいゴリズンー!一緒にジュース買いに行こうぜ!!」
「お、おっす」
「おいゴリズンー!一緒にトイレ行こうぜ!!」
「う、うい」
…え、やばくね?すげえ仲良くなってんじゃん俺ら。連れションする仲になってんじゃん。
ワカメメガネが色々な場所に振り回したためか、この短時間であっというまにワカメメガネとこの俺、ゴリズンのことが学校中の噂になってしまった。
「なあゴリズン、このプリント先生に出しといてくれ」
「おいゴリズン、ズボン下げすぎ」
「俺ゴリズンじゃねえっつってんだろ!」
そして俺の名前がゴリズンということになってしまった。否定するも中々わかってくれなくて、まじでわかってないのか冗談のつもりで言ってくるのかは謎だ。
「な、なあ水瀬、助けてくれよ…」
ワカメメガネが別の教室で先生と話をしている間に隣の席の水瀬に助けを求めるが、
「今助けてももう手遅れだと思うよ。マサキっちは王道転校生の親友ポジだったんだね」
「親友ポジ…?」
また新しい単語が出てきた。
「親友ポジって結構辛いよ。マサキっち頑張ってね」
そして再び本(恐らくBL本)に集中し始めた。
「いやっだから助けてくれって…そうだ、お昼また一緒に食べような、これからもずっと」
すると本から水瀬が半目にしながら横目で俺を見る。
「マサキっち、そんなヤンデレのフリしてもときめかないよ」
「うっせえやっぱ黙っとけ」
「おーいゴリズンー!」
「あ…?」
教室のドアの前まで帰ってきたのかそこからワカメメガネに呼ばれる。行きたくないと気持ちをブルーにさせながらも、足を引きずってそこへ駆け寄った。
「見てくれ!さっき先生のところに行く間に仲良くなったんだ!!」
あ、これは確かに水瀬が言った通りキツイかもしれない。ワカメメガネの両脇にいる2人の人物を見てしみじみと感じた。
「ほら!お前らも自己紹介だ!!」
すると2人の中からイケメン1の爽やかっぽい人が前に出てきた。
「俺は風早 颯、よろしくね。えーっと…ゴリズン君?」
ゴリズンってのほんとにミスったな。風早って言うやつは左手を差し出してきた。え?左手って別れの握手じゃね?もう別れるの俺達??
なんだか怖く感じて一応タッチするくらいの緩い握手はしたが、風早の満面の笑みからの威圧感で確信した。こいつ絶対俺のこと邪魔だと思ってる。
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