さよなら俺の平穏

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「…やっと、反省したかよ」 俺も変な肩の力が抜けて表情も和らぐ。 「もう絶対こんなことはしないって約束してほしい」 総隊長は涙をポロポロと流して俺の手を離さないままコクコクと頷いた。 「…お前も結構大人しくしてたら可愛いんだからさ、無理すんなよ」 すると顔を上げてきて目をぱちくりすると、頬をほんのり紅潮させてソワソワし始めた。 「な、なんだよチワワみたいに…」 口の端を釣り上げて苦笑いしてると視界の端に亀甲縛りの例のヤツら達の姿が入った。 「そういやすっかり忘れてたな…総隊長も手伝ってくんね?」 「…瑞希(ミズキ)…」 「あ?」 「瑞希って、呼んで」 突然のデレに思わず二度見してしまう。 「あ…と言っても、今更かもしんねえけど総隊長ってことは先輩だよな?タメ口喋ってたけど敬語…」 「寧ろタメ口がいいから、瑞希って」 手を両手で包み込む様に添えてきて上目遣いで懇願される。 「…み、瑞希?」 戸惑いながら口に出すと瑞希は嬉しそうに口元を緩めた。 「よし、これで全部の拘束が取れたな」 俺の言葉に賛同するように瑞希はまたチワワのように頷いた。 「お前らどこか気分が悪いとことかねえか?」 心配して聞くが小柄くん達はどこか気まずそうに顔を赤くしながら「は、はい、ありがとうございます…」と声を合わせて返した。 …あ、もしかしてだけど俺の喘ぎ声のせい? 急に恥ずかしくなり固まっていると瑞希が前に出て「酷いことして、本当にごめん」と申し訳なさそうに小柄くん達に謝っていた。 小柄くん達は瑞希の変わりように驚いたのか一瞬動揺した後「大丈夫ですよ!」と許すどころか逆に慰めていた。 そのほんわかする光景に癒されていると、 「おい」 低い声が響いて、俺の肩に何か置かれた。恐らく手だろうか。 振り返ると、血飛沫が付きまくった聖さんの顔が目の前にあった。 その形相に驚いて思わず「わ゛!」と声を上げて後ろに1歩下がってしまった。 相手にしていた男達はどうなったんだろうと聖さんの後ろを覗くと、そこはすでに血の海となって全員倒れていた。 それに気づいた瑞希達も怯えて互いに寄り添う。 「…おい、てめぇ、ちょっと着いて来い」 明らかに危ない状況だと思った。とりあえず頷いて瑞希達には「先に戻っとけ」と小声で伝えておいてから倉庫から出ていくその人の後に着いて行った。
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