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体育館に戻るとビンゴ大会は終了していて、ステージの上で結果発表となっていた。
俺はこっそり自分の並んでいた場所に戻ると、横に並んでいた水瀬は俺の登場に驚きながら怒ってきた。
「ちょっとマサキっちこんな長い時間どこ行ってたの!?」
「…えと、長い死闘を繰り広げてた」
「は?」
「そんな冷たい目で見んなよ秘密だっつっーの!…そんで今何してんの」
話題をわざと切り替えると水瀬はしょうがないとでも言うような溜め息をついてから口を開いた。
「最も早くビンゴした順位で3位から1位までの人が壇上に上がってるんだよ。それで今褒美を与えてんの」
「その褒美って?」
「生徒会に何でも言う事聞いて貰えるの」
「…」
「うわあめっちゃ興味無さそうな顔してるねキモー!」
「え?何その罵倒、お前そんなに俺の事怒ってんの??」
『それでは3位の方!褒美を貰う人を選んでください!』
司会の声が響いて壇上の方に目を向けるとチワワのような子が顔を赤くして、「副会長に、ハグしてほしい」とお願いしていた。
『副会長にご指名が来ました!前に出て褒美を与えてあげてください!』
王子様キャラを演じている副会長は司会の言う通りに前に出てチワワの子を抱きしめてあげた。ふーんあんな感じなのか。
そのまんま同じ感じで2位も褒美をもらった。だが1位の登場で他の生徒らの雰囲気が一転した。
「きゃああああ会長ーー!!」
「かっこいい抱いてー!!」
そう、まさかの1位は会長だった。
「え?この場合どうなんの?てか生徒会達も参加してたのかよ」
思わず水瀬に話しかけてしまう。
「…わかんない。つーか去年は生徒会がランキング入りすることなかったしな」
「まあ司会の人が説明してくれるだろうから待とうぜ」と言われたので俺は再び司会の人に目を向けた。
『えー生徒会の方がランクインした場合は逆に一般生徒の方に言うことを聞いて貰えることとなっております』
それは、つまり親衛隊達に襲われろと言っているのも同然なのではと思ったが、
『ただしその一般生徒への危害が加わることも想定して、後から会長がこっそりその生徒の部屋に行って褒美を貰うこととなりますので、会長の褒美タイムは省略します』
他の生徒達は「会長の褒美タイム見れねえのかよー」とブーイングしていたが俺はとてもいい判断だと感心した。
そのまま新入生歓迎会は終了して、俺は会長の褒美タイムが見れないことに落ち込んで固まっている水瀬を運びながら駆け寄ってきた裕二と風早と共に教室に戻った。
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