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それから教室でHRを少し行うと早くも解散となり、俺もぐーたらしたいとよく分からないがイケメンズの威圧感が無くなったため断りやくすなった裕二達の食堂への誘いを断って購買で昼食用のアンパンを買ってから寮の部屋に戻った。
だがしばらくしてから、奴は来た。
ピンポーンとチャイムの音が鳴って、ベッドで仰向けになってだらけていた俺はアンパンを片手に頬張りながら扉に向かう。
「水瀬か…?」
だが見事に予想は外れてドアノブを掴んで扉を開けると、超イケメンが居た。
「…あ?会長?なんで??」
「いいから部屋に入れろ。目立つ」
まあ、そうだなと納得したくないが納得して一先ず会長を部屋の中に入れて丸テーブルまで招いて座らせた。
すると部屋全体を見渡し初めて何故か眉を顰める会長。
「何だこの部屋は、狭いし地味な部屋だな」
「あなた俺の部屋評価するために来たんすか?意味不です帰ってください」
「待て、俺はそんな事だけで来たわけじゃない」
じゃあ何しに来たんだと会長を見つめると会長もずっと俺を見てくる。いや、俺というか…アンパン?
「…アンパンのことで用があるんすか」
「んなわけないだろ。話も聞いてねえのに引くんじゃねえ」
「じゃあ早く話してくださいよ」
ひたすらアンパンに噛みつきながら会長が話すのを待っていると、突然会長が顔を近づけてきた。
「うわあなんすか」
「いいだろ少しくらい」
何が少し…?と首を傾げてると会長が俺のアンパンを食べかけだと言うのに1口食べた。
「…初めて食べたが不思議な味だな」
「…あの、食べたかったなら別にちぎってあげたんすけど」
「?でも他の奴らにこうすると喜んでくれるぞ」
う、うわぁ〜出た〜イケメン勢によるこうすれば喜んでくれるぞ自慢。
自分の顔がドン引きすら超えて未知なる顔へと辿り着いちゃう。
「その顔…やめろ気持ち悪い」
「アンタがこんなキモイ顔にさせたって自覚してくださいよ。それと俺は喜ばないんで他の人にやってください」
「あーもう食べる気失せたんであげます」と間接キッスのせいで食欲がなくなった挙句会長に押し付けた。
「いいのか…?お前も気が回るじゃねえか」
利用したというのにアンパンを受け取った瞬間周りに花を咲かせる会長。えっ、チョロ。
「…でも俺に食われたぐらいで食欲失せるってそんなに嫌いなのかよ俺の事」
今度は不機嫌になっちゃった。えっ、面倒いなこの人。
「違うっすよ、俺、人の口付けとか唾液とかなんか気持ち悪くて受け付けられないんすよ」
一応機嫌を直すために否定する。だが、
「…そうか」
とアンパンを頬張りながら今度は考え込むように首を傾げる。
一体何を考えているんだ…。
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